新車購入時にスペアタイヤは必要?現役ディーラー整備士が解説

新車を購入するとき、意外と悩むのが「スペアタイヤを付けるべきか?」という問題です。

以前の車にはスペアタイヤが積まれているのが当たり前でしたが、最近の新車ではスペアタイヤが標準装備されておらず、パンク修理キットが搭載されている車が増えています。

結論から言うと、スペアタイヤは必ず必要というわけではありません。しかし、使用する環境によっては装備しておくと安心できるアイテムです。

この記事では、新車購入時にスペアタイヤを付けるか迷っている方に向けて、スペアタイヤのメリット・デメリットや、どんな人におすすめなのかを解説します。


スペアタイヤとは?

スペアタイヤとは、走行中にタイヤがパンクした場合などに、一時的に交換して使用するための予備タイヤです。

一般的にはトランクや荷室の下などに収納されています。

スペアタイヤには、通常のタイヤと同じサイズのものだけでなく、限られた距離・速度で使用することを前提とした「テンパータイヤ」と呼ばれるタイプもあります。

最近では、車両重量の軽量化や燃費向上、荷室スペースの確保などを理由に、スペアタイヤを標準装備しない車も増えていますし、そもそもオプション設定すらない車も出ています。


なぜ最近の新車にはスペアタイヤが付いていないの?

「昔はスペアタイヤが付いていたのに、なぜ最近の車には付いていないの?」

と思う方もいるでしょう。

主な理由として、次のようなものがあります。

① 車両重量を軽くするため

スペアタイヤはタイヤだけでもそれなりの重量があります。

さらにホイールや工具なども含めると、車両にとっては無視できない重量になります。

スペアタイヤを搭載しないことで車両重量を軽くし、燃費性能の向上などにつなげています。

② 荷室スペースを確保するため

スペアタイヤを収納するためには、それなりのスペースが必要です。

スペアタイヤをなくすことで、トランクや荷室を広く使えるようになります。

特にコンパクトカーやSUVなどでは、限られたスペースを有効活用するメリットがあります。

③ パンク修理キットが用意されている

スペアタイヤの代わりに、パンク修理キットが搭載されている車もあります。

軽微なパンクであれば、修理キットを使用して応急処置を行い、近くの整備工場やディーラーなどまで移動することができます。


スペアタイヤとパンク修理キットの違い

スペアタイヤとパンク修理キットには、それぞれメリットとデメリットがあります。

スペアタイヤパンク修理キット
パンク時の対応タイヤを交換タイヤを応急修理
重量重い軽い
収納スペース必要少ない
大きなタイヤ損傷対応しやすい対応できない場合がある
作業タイヤ交換が必要修理剤などを使用
そのまま長距離走行基本的に不可基本的に不可

どちらにも一長一短があります。


パンク修理キットでは対応できないケースがある

ここは、新車購入時にスペアタイヤを検討するうえで重要なポイントです。

パンク修理キットがあれば、どんなパンクでも対応できるわけではありません。

例えば、

  • タイヤが大きく裂けている
  • タイヤのサイド部分が損傷している
  • タイヤがホイールから外れている
  • 複数箇所が大きく損傷している
  • タイヤそのものが大きく破損している

といった場合は、パンク修理キットでは対応できない可能性があります。

このような場合には、ロードサービスを利用してレッカーなどで搬送する必要があります。

つまり、「パンク修理キットがあるから絶対に安心」というわけではありません。


スペアタイヤがあると安心できる人

では、どんな人が新車購入時にスペアタイヤを選んだ方がいいのでしょうか?

私が整備士として考えると、次のような方にはスペアタイヤをおすすめしやすいです。

山道や人里離れた場所をよく走る人

山道や郊外では、近くにガソリンスタンドや整備工場がないことがあります。

夜間などにパンクしてしまうと、ロードサービスを呼んでも到着まで時間がかかる可能性があります。

そういった環境を走る機会が多い方は、スペアタイヤがあると安心です。


長距離ドライブをよくする人

高速道路を利用した長距離ドライブや旅行を頻繁にする方も、スペアタイヤを検討してもいいでしょう。

特に旅行先など、土地勘のない場所でパンクすると不安になります。

スペアタイヤがあれば、タイヤ交換が可能な状況では応急的に走行できるため、選択肢が増えます。


ロードサービスをすぐ利用できない環境の人

携帯電話がつながりにくい場所や、ロードサービスの到着まで時間がかかる地域を走ることが多い場合は、スペアタイヤのメリットが大きくなります。


逆にスペアタイヤがなくても困りにくい人

一方で、

  • 主に市街地を走る
  • 近距離の移動が中心
  • ロードサービスに加入している
  • パンクしたら救援を依頼するつもり
  • 荷室をできるだけ広く使いたい

という方なら、スペアタイヤを無理に用意する必要はないでしょう。

現在は自動車保険やJAFなどのロードサービスを利用できる場合もあります。

そのため、「パンクしたら自分でタイヤ交換する」のではなく、「ロードサービスを利用する」という考え方も十分現実的です。

実際のところ、ジャッキを使ったタイヤの交換は手間もかかるし力もいります。

暗い状態や天候の悪い時だと尚更やる気になりませんよね笑


スペアタイヤを購入するときの注意点

新車購入時にスペアタイヤを追加する場合、単純に「タイヤを1本買えばいい」というわけではありません。

車種によっては、

  • スペアタイヤ本体
  • 専用ホイール
  • 固定用部品
  • ジャッキ
  • ホイールナットレンチ
  • 収納スペース

などが必要になる場合があります。

また、車種によってはスペアタイヤを収納するための専用スペースがないこともあります。

そのため、新車注文時にディーラーへ「スペアタイヤを追加できますか?」と確認しておくことが重要です。


スペアタイヤを積んでいても定期的な確認が必要

スペアタイヤを装備したら、それで終わりではありません。

スペアタイヤもタイヤなので、長期間保管していると劣化する可能性があります。

特にゴム製品であるタイヤは、使用していなくても時間とともに劣化します。

そのため、車検や定期点検の際に、通常のタイヤだけでなくスペアタイヤの状態も確認が必要です。

また、テンパータイヤの場合は空気圧が通常のタイヤとは異なることがあります。

車種ごとの指定空気圧を確認しておきましょう。


結局、新車購入時にスペアタイヤは必要?

新車購入時にスペアタイヤが必要かどうかは、車の使い方によって変わります。

スペアタイヤをおすすめしたい人

  • 山道や郊外をよく走る
  • 長距離ドライブが多い
  • 旅行などで遠出することが多い
  • ロードサービスをすぐ利用できない環境を走る
  • パンク時に自分で対応したい

スペアタイヤがなくても困りにくい人

  • 市街地での使用が中心
  • 短距離走行が多い
  • ロードサービスに加入している
  • パンクしたら救援を呼ぶつもり
  • 荷室のスペースを優先したい

まとめ

新車購入時のスペアタイヤは、「絶対に必要な装備」ではありません。

現在の新車ではパンク修理キットが用意されている車も多く、パンクした場合にはロードサービスを利用するという選択肢もあります。

ただし、パンク修理キットでは対応できないタイヤの大きな損傷もあります。

そのため、山道や郊外、長距離を走る機会が多い方は、スペアタイヤを装備しておくメリットがあります。

反対に、普段は市街地を走ることが多く、ロードサービスを利用できる環境であれば、スペアタイヤを積まないという選択も十分考えられます。

スペアタイヤを付けるかどうかは、「周りの人が付けているから」ではなく、自分が普段どのような場所を走るのかを基準に考えるのがおすすめです。

新車を購入するときは、車両価格だけでなく、こうした「万が一のときの備え」についても販売店に確認しておきましょう。

スペアタイヤは普段ほとんど使わない装備です。

しかし、いざというときに「積んでおいて良かった」と思える装備でもあります。

自分の使い方に必要かどうかを考えて、装備するか判断してみてください。

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